ロマンシング佐賀で閃いた!タイアップPRからマーケティングを学ぶ
知人からこんなメールが飛んできて思わず反応エントリーです。
おっさんゲーマーホイホイ。
http://romasaga.jp/sp/
ネタじゃなくて公式w
このURLの飛び先は以下のウェブサイトでした。
このウェブサイトを一言で表現すると「ゲームと自治体が本気でコラボレーションしたPRを目的としたサービス」になります。
私はこのシェアで”閃き”ました。ここにはマーケティング思考が仕込まれていると!
お客さんを完全に絞っている
ウェブサイトを見てもらうとわかりますが、元ネタであるゲームを知らない人にとっては、正直意味がわからず価値を見出せない様相です。
しかし一方で、30代後半のゲーム大好きおじさん(おばさん)にとっては、ものすごい価値のあるコンテンツに映っているはずです。
その理由は、(ロマンシングサガという)ゲームをリアルタイムで経験した30代後半のゲーマーを狙ってターゲティングしているためです。
一見、「他のユーザーを取りこぼしているのでは?」と思ったかもしれません。でも、マーケティング的には、取りこぼして大正解。
この企画の肝は、ゲームと自治体のバランスにあるからです。
現状は、ゲーム(ロマンシングサガ) > 自治体(佐賀)ですよね?
つまり、コンテンツの中心はあくまでゲームなのです。ゲームの世界観で佐賀の特産品に触れることができます。30代後半のゲーマーは自然に佐賀の魅力を学べるわけです。
このバランスを逆転したらどうなるか?
コンテンツの中心は自治体、つまり佐賀県なので、歴史や特産品を全面に押し出したものになるでしょう。
これでは、自治体のよくある押し売り企画、政治家のしょうもない売り込み発言となることは関の山。結果、惹き付けるものは何一つない作り手だけに価値があるウェブサイトになっていたことでしょう。
お客さんを魅了する仕掛けが満載
ウェブサイトのデザインは、レトロで角張ったデザインです。これはドット絵と呼ばれているもので、昔のゲームを象徴するイメージです。
また、ウェブサイトにはBGMを再生する機能が付いています。そのBGMは、佐賀県民の歌や一世を風靡した佐賀県も流れません。流れる曲は、ゲームで使われていた名曲ばかりという徹底ぶりです。
さらに、ドット絵で書かれたキャラクターやアイコンをクリックするとゲームの設定情報が解説されます。その中には、ドット絵で書かれた佐賀県の名産品もあり、同じく、クリックすることでその歴史や情報が解説されるのです。
全体的に、見て触って楽しい作りになっています。
お客さんとの関係性を構築している
誰でも憧れの人には会いたいと思うはずです。ロマンシング佐賀では、ゲームを作ったプロデューサーから作曲家、デザイナーまでずらり勢揃いのリアルイベントも企画されています。その中には、なんと佐賀県の県知事もいるではありませんか!本気ですよね。
お客さんを先まで連れて行くシナリオも見え隠れ
もちろんこれで終わりではありません。コラボレーションの物販も予告されています。ファンは、「思い出の品」という価値と、お金を交換することに抵抗はないはずです。
このPRは成功か?失敗か?
まだこのコラボレーションはスタートしたばかり。私の口から成功だ!失敗だ!なんていうつもりはありません。
成否はこのプロジェクトチームで決めることですしね。
ひとりのユーザーの立場で言えることは、フェイスブックのいいね!がすでに2万件、ツイートが1.6万件あるという事実。ソーシャルメディアの反響はおそらくもっと増えていくことが予測されます。
熱狂的なファンを増やし、そのファンにこれからどんな価値を提供していくか?その活動によって、このPRの本当の価値が決まるような気がします。
まとめ
このPRは、マーケティングに必要な要素をすべて満たしている素晴らしい経済活動だと私は思いました。
なぜなら
顧客( = 市場)を明確に定め、
顧客との親和性が極めて高いメディア( = ウェブ)を利用し、
顧客の思い出を補完する不可価値( = メッセージ)を提供しているからです。
これは、ビジネスにおけるジョイントベンチャーと同じ考えが基盤にあります。
佐賀県は、ゲーム(ロマンシングサガ)という媒体のファンに向けて、佐賀県の価値を売り込んでいます。一方、ゲームを制作した方々もその気持ちに共鳴し、佐賀県を盛り上げるお手伝いをしています。ファンの囲い込み、物販の収益も当然考慮していると思いますが。この試みは、地方を元気にする大きなヒントになるのでは?と感じた次第ですよ。
ドラクエに引き続き、ロマサガからもマーケティングを学べるとは思いもよりませんでした。
応援してます、ロマンシング佐賀!
追伸(佐賀県に勝手な提案)
せっかくなので、サガ=佐賀つながりでとことんやって欲しい!
例えば、
街の一部、あるいは全体をロマンシング佐賀にしちゃう。
年に一度、ロマンシグ佐賀祭りをしちゃう。
新作がでたら必ずタイアップしちゃう。
ロマンシング佐賀の聖地を作っちゃう。
などなど。
秋田県人として、これは羨ましいナイスマーケティングです、ほんとうに。
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