アップル社のステップメールから学ぶ既存客へのアプローチ6ステップ
2013年も残すところあと13日となりました。
来週はいよいよクリスマスですね。今回は、
マーケッターの視点からアップル社がどうやって
既存客へアプローチしているのか?をちょっと
覗いてみたいと思います。
既存客へのアプローチはHTMLメール
アップル社は以下のような文字+画像の
HTMLメールを活用して既存客との関係を構築
しています。
顧客が「欲しい!」と思った瞬間、画像を
クリックすることでECサイトにアクセスできる
仕組みです。
その簡便性を考えると、HTMLメールの価値を
再考する必要があるなぁ。そう思う今日このごろです。
さらに、ステップメールというシステムを
使っています。ステップメールとは、
あらかじめ用意された複数の違う内容の
メールを、ある時点を起点にスケジュールに
沿って順次配信する仕組みです。
年末商戦のメールからマーケティングを学ぶ
では、具体的にアップル社はステップメールを使って
どうやって既存客へアプローチしているのでしょうか。
このブログを書いている日(12月18日)までに
年末商戦のセールスメールが6通届いているので
その事例をもって解説してみたいと思います。
STEP1.惹き付ける
1通目のメールは、11月14日(木曜日)19時過ぎに
届きました。
件名は【この冬おすすめのギフトがそろいました。】
「この冬も、最高のものだけを。」という
サブヘッドラインの下には iPad mini、iPad Air、
MacBook Air、iPod touch、Apple TV、アクセサリ
といった商品ラインナップが堪能できる内容です。
このメールを受け取った時の顧客の心理としては
「あ、そろそろクリスマスシーズンだね」と思い
出します。そして、自然とApple商品に惹き付け
られます。でも、この段階ではまだ「欲しい!」
とまでは思いません。
STEP2.セールス(1回目)
2通目のメールは、9日後の11月23日(土曜日)
10時過ぎに届きました。件名は
【写真を世界で一つだけのプレゼントに変えよう。
あなたのMac、iPad、iPhoneで作れます。】
「大切な思い出が、大切にしたくなるギフトに
変わります。」というサブヘッドラインの下には
MacやiPhoneの中にある写真をプリントアウト
してプレゼントしませんか?というオファーでした。
いきなり高額商品を売り込むのではなく
「良いアイデア!」という気付きを与える提案。
しかも、数百円〜数千円という財布にもやさしい
ハードルの低いオファーという点がポイントです。
すでに2回目の接触。クリスマスの足音が
なんとなく街からも聞こえてくる時期ですね。
STEP3.セールス(2回目)
3通目のメールは、9日後の12月2日(月曜日)
16時過ぎに届きました。件名は
【iPhone 5sとiPhone 5c。驚くような一台を贈りませんか。】
「この冬の人気者を、あの人に贈ろう。」という
サブヘッドラインの下には、iPhone(最新機種)の
セールスでした。
12月に突入したタイミングで、メールの内容も
セールスにスイッチしました。世の中のムード
として、給料も入り、真剣にプレゼント選びを
はじめる時期。この既存客の行動や心理とリンクしているために
「欲しい!」という感情スイッチが刺激されはじめます。
STEP4.セールス(3回目)
4通目のメールは、3日後の12月5日(木曜日)
9時過ぎに届きます。件名は
【クリスマスにはメッセージを刻んだiPadを贈ろう。ご注文は12月6日まで。】
「何でもできるプレゼント。あなたの気持ちも
刻めます。」というサブヘッドラインの下には
iPad(最新機種)の紹介がなされています。
セールスの段階になってから、メールが届く
間隔が短くなりました。購買意欲もずいぶんと
刺激されているのではないでしょうか。
STEP5.セールス(4回目)
5通目のメールは、4日後の12月9日(月曜日)
9時過ぎに届きました。件名は
【MacBook Airは最大12時間駆動するバッテリーを搭載。パワフルなプレゼントです。】
「一日中使えるバッテリー。一年中続くうれしさ。」
というサブヘッドラインの下には、MacBook Air(最新
機種)の紹介がなされています。
サブヘッドラインで顧客へ感情的なベネフィットを
伝えています。ノートパソコンで一番気になるところを
しっかりと訴求しています。12月9日週はボーナスが支給
された会社が多いようです。世の中の購買意欲は、
沸点に達しているはずです。
STEP6.セールス(最終通告)
6通目のメールは、9日後の12月18日(水曜日)
9時過ぎに届きました。件名は
【最高のクリスマスプレゼント。まだ間に合います。】
「ベストな一台を贈る、ラストチャンスです。」という
サブヘッドラインの下には、いままで紹介してきた商品
ラインナップが掲載されています。
忙しくてプレゼントが準備できていない、
なかなか決断できない人に向けたメッセージです。
まだ間に合う、ラストチャンスという言葉で
顧客の心理を刺激しています。
まとめ
アップル社は、11月14日を境に12月18日現在まで
合計6通のメールを送ってきました。
もちろん、私自身、iPhoneやMacを保有している
一顧客なので、嫌な気分にはなりません。むしろ
「提案してくれてありがとう」と言いたい気持ちです。
そう思った最大の理由はやはり”接触頻度”にあると
感じました。人間の感情や購買意欲には波があります。
その感情や購買意欲の波を捉えるには、接触し続ける
必要があるのです。大企業のアップル社でも、既存客を
ここまで大切にし、フォローをしています。
わたしたち中小企業も、アップル社以上に、
既存客との関係性を維持する努力をしなくては
いけないと感じました。
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